Mission

Mission

岡山大学ミャンマー医療協力部はミャンマーの保健医療向上に不可欠な、様々な医療系人材の育成活動を支援します。

ごあいさつ

ミャンマーは、医療に関するインフラの欠如とともに、医療従事者の圧倒的不足により、未だに安全で良質な保健医療の維持が極めて困難な状況にあります。更に、植民地時代、軍事政権時代から引き継がれている教育システムは現代のニーズに合わず、将来を担う医療人材の育成が喫緊かつ最重要課題となっています。

親日国ミャンマーのこのような状況の改善に役立てたいと岡山大学は、約30年にわたりミャンマーの医療や医療教育に携わる幅広い領域の人材育成に努めてきました。これまでに約150名の留学生・研修生の受け入れを行い、またミャンマー現地での医療協力と医療教育も実践しています。これらの活動は、当大学槇野学長のご尽力を賜りながら、岡山大学の医学系・歯学系・薬学系・保健学系を含む医療系組織全体により行われ、認定NPO日本・ミャンマー医療人育成支援協会(理事長 岡田茂岡山大学名誉教授)からの支援も得ております。

現在、岡山大学は日本ミャンマー協会(理事長 渡邉秀央元郵政大臣)と連携をとりながら、ミャンマー政府保健スポーツ省を協力相手方として、2015年4月開始の国立六大学による医学教育強化プロジェクト、2018年5月開始の日本臨床工学技士会・臨床工学国際推進財団との連携によるメディカルエンジニア育成体制強化プロジェクトといったJICA事業の事務局を担わせていただいております。

ミャンマーの保健医療向上には、ミャンマーの自立的発展が不可欠であり、その意味で人材育成が今後も軸になることは間違いないと思われます。そのためには、本学主体の支援活動の継続のみならず、日本のミャンマー医療系支援の情報の透明化と収集、産官学を一体としたより効果的な支援へと結びつけていく必要性があるものと考えております。今回、その目的で岡山大学内に、Okayama University Office for Myanmar Medical Collaboration(OMMC)を設立いたしました。

岡山大学はミャンマー国内の医療向上のために、これらの活動をさらに発展させるべく努力して参りますので、何卒ご指導、ご鞭撻、そしてご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

岡山大学ミャンマー医療協力部 部長 木股 敬裕

顔写真:岡山大学ミャンマー医療協力部 部長 木股 敬裕

目指す協力体制

図:ミャンマー保健セクターが目指す「UHC」と様々な日本の協力

岡山大学国際同窓会ミャンマー支部設立

30年近い岡山大学医療系分野とミャンマー保健省との医療医学連携により、これまで150名以上のミャンマー学部学生、医療系スタッフ、保健大臣を含むミャンマー保健省関係者が岡山大学を訪問しています。これらの長年の業績から2015年にヤンゴン支部が設立され、さらに2018年8月にはマンダレー支部が設立されました。

集合写真2014年8月
岡山大学国際同窓会ヤンゴン支部設立(会員約100名)
集合写真2018年8月
岡山大学国際同窓会マンダレー支部設立(会員約40名)

ミャンマー医療支援の歩み

1996-1999年 ミャンマーとの国際共同研究「ミャンマー国肝癌発生要因としてのサラセミア症の鉄過剰症と輸血関連疾患の調査研究」(文部省科学研究費/研究代表者:岡田茂現岡山大学名誉教授)を実施。
1999-2002年 JICA支援による「ミャンマーC型肝炎対策」事業を実施。
2000年 前年度からの科研費調査研究の継続的研究として、「ミャンマー国肝がん発生要因としての輸血関連疾患と鉄過剰症の調査研究」(文部省科学研究費/研究代表者:岡田茂現岡山大学名誉教授)を実施。
2002年 ミャンマー保健省医科学局と医学研究局と岡山大学間の国際交流協定を締結。以後、ミャンマーより短期・長期留学生および研修生の受入を開始。
2004年 岡山大学の教員および医師が、基礎および臨床医学における連携および医療知識普及を目的とし、Myanmar Health Research Congress へ参加を開始。
2004-2006年 岡山大学学長裁量経費による「ミャンマーを起点とするアジア医療拠点」プロジェクトを実施。(プロジェクトリーダー:岡田茂現名誉教授(2004-2005年);小出典男現名誉教授(2005-2006))
2006年 岡田茂名誉教授が、認定NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会を設立。岡山大学等と連携し、ミャンマーにおける医療支援・協力を継続。
2008年 岡山大学の産婦人科学および解剖病理学教室の指導下で、医学研究局(Aye Aye Lwin医師)にて子宮頸がん検診を開始。 支援:日本ミャンマー医療人育成支援協会
2010年 岡山大学乳腺内分泌外科が、ミャンマー母子福祉協会およびヤンゴン中央女性病院との連携により、乳がんプロジェクトを開始。 支援:日本ミャンマー医療人育成支援協会および日本国経済産業省
2010年 ミャンマー・日本形成再建外科育成プロジェクトを開始。岡山大学病院の複数診療科による手術指導ミッションを実施。参加診療科:形成外科、整形外科、麻酔科、脳外科、歯科および看護部 連携:日本ミャンマー医療人育成支援協会、ミャンマー人医師と医療スタッフ
2012年 岡山大学とミャンマー保健省の国際交流協定締結10周年祈念式典をヤンゴンに於いて開催。
2013年 岡山大学病院消化器内科が新ヤンゴン総合病院にて消化管内視鏡検査プロジェクトを実施。連携:日本ミャンマー医療人育成支援協会、HOYA株式会社(Pentax)
2013-2014年 経済産業省支援による「ミャンマー救急医療サービス整備実証調査事業(2013年度)」および「ミャンマー救急医療サービス実証調査(2014年度)」(代表団体:MS&AD基礎研究所株式会社)に、岡山大学病院救急科が協力。 協力:日本ミャンマー医療人育成支援協会、経済産業省、ヤンゴン第一医科大学学長(救急科教授)
2014年 岡山大学にて、ミャンマー・日本高齢者癌ケアセミナー開催。 共催:ミャンマー医師会、NPO法人日本・ミャンマー医療人育成支援協会、岡山県医師会、中国四国広域がんプロ養成プログラム
2014年 岡山大学国際同窓会ミャンマー支部を設立(支部長:Dr. Myo Khin、副支部長:Prof. Maung Maung Soe、Prof. Swe Swe Win)
2014年 文部科学省の“日本留学コーディネーター配置事業”(現“日本留学海外拠点連携推進事業”)に採択され、ヤンゴンに岡山大学日本留学情報センター (OJEIC) を開設。
2015年 岡山大学顎口腔再建外科が、口腔がん検診プロジェクトを開始。連携:日本ミャンマー医療人育成支援協会、 Myanmar People’s Health Foundation, ヤンゴン歯科大学、マンダレー歯科大学
2015年 JICA事業である、ミャンマー保健省と国立六大学連携コンソーシアム(SUN)による「ミャンマー医学教育強化プロジェクト」を開始(2019年9月まで4.5年間)。基礎系、臨床系分野両方におけるミャンマー医師および技師の人材育成を実施。
2015年 ヤンゴン第一医科大学と岡山大学間の国際交流協定を締結。また、ヤンゴン歯科大学およびマンダレー歯科大学と岡山大学歯学部間でそれぞれ部局間の国際交流協定を締結。
2015年 ヤンゴン看護大学と岡山大学間の国際交流協定を締結。看護教育に係る新しい協力関係を構築。(連携機関:ヤンゴン看護大学、岡山大学保健学研究科、岡山大学病院看護部)
2016年 ヤンゴン第二医科大学と岡山大学間で国際交流協定を締結。
2015-2016年 岡山大学とヤンゴン第一、第二医科大学の医学部生交流を実施。(基礎病態演習および医学研究インターンシップ(MRI)へ参加)
2018年 JICA事業である、「ミャンマーメディカルエンジニア育成体制強化プロジェクト」の開始(2023年4月まで5年間)。日本臨床工学技士会、臨床工学国際推進財団、岡山大学、TAネットワーキングの連携により実施。
2018年 岡山大学ミャンマー医療協力部(OMMC)設立